嵐山には風情がある。
寺、神社、温泉、旅館、京都料理、庭園、竹林、森林、渓谷、いわゆる京都の趣が味わえるところだ。
僕が好きなのは、保津川の川下り。古くは水運の要として長岡京の時代から1000年以上も運用されていた歴史がある。10年ほど前に一度だけ、この川下りを体験した。船頭さんの舵さばきが見事で、渓谷の彩りに花を添えていたのをよく覚えている。
2015年の秋、僕は3人で嵐山の渡月橋へ行った。桂川をカヤックで楽しむためだ。
カヤックを漕いで上流方面へ進み、力尽きたらUターンして戻ってくるコース。
平日にもかかわらず、人が大勢いた。
風情のあるところで、赤や黄緑。(苦笑)
派手な色は景観を損ねているかもしれない。
川の流れをほとんど感じない。楽に川上へ進める。
水の透明度は悪い。カフェオレ状態だ。
しばらくすると、左側に上陸できる場所が見えてきた。降りて昼食を食べよう。
ここは川沿いの道から降りられるため、観光客がひっきりなしに来る。秘境感が全くない。
それでも、自然の中で食べる食事は美味しい。
風が吹くたびに木の葉は乾いた音をたてている。自然の音色に合わせて影が揺らめく。
僕達は、しばしの休憩を終え、出発した。
京都的な景観が続く。情緒があっていい。
上陸できるところは降りて遊んだ。
水の流れが早くなってきた。もう川上りは無理だ。引き返そう。
帰りはパドルで漕がなくても進んで行く。カヤックに寝そべった。白い雲がゆっくりと動いているのが見える。
川下りは快適だ。
西の空が暗くなりはじめていた。あまりにも暑かった夏が終わり、日が暮れるのも早くなってきている。
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僕は、これからもアウトドア仲間を増やして、嵐山の音景色を一緒に体験していきたいと思っている。
風情を損ねるかもだけど。
Taka
Writer : GAKUTAME OUTDOORS Kansai(GOS)Organizer Takayuki.M